門人のことも

太極拳法 2024/11/02(土) 23:23
前回に続いて、もう一つ。
門人のことを。

始まる前に少々雑談などをしている。
私はK先生が好きなので、ニコニコして聞いている。

Iさん「先生、私太極拳やっててよかったです」
K先生「あら、そう? なにかありましたか?」

私も耳をそばだてる。太極拳法をやってて、私も多分ものすごく恩恵がある。精神的に落ち着いたし、悩まなくなった。
いったい彼女の「よかった」は何だろう。

Iさんは「同じくらいの年齢の人が職場にいるんですよ」

うんうん。先生と私は聞くモードになって耳を傾けている。

そしたら! とIさんが満面の笑顔で言う。
立位体前屈の姿勢を取って、「これがね、その人全然届かないんですよ」。
「私は届きます」と指先をちょろっと床につけて見せた。
太極拳のおかげですね。

はーあーー?

私はそっと場を離れた。
ついていけない。
他人よりちょびっと体が柔らかいということが「よいこと」なのか。
私も嫌味な人間だ。その場で立位体前屈をして、掌をべったり床につけてみた。
そんなの、太極拳法しなくても全然できるでしょ? 

10年以上やっている人がこのレベルと意識なのだ。
K先生も、あいまいに笑って、「そうね」「よかったわね」と受け流した。

なんで太極拳法するの?
体を柔らかくするため?
もちろん、それも悪くはない。でも「他人」と比べてどうする?
たった3年の歴の新人の私のほうが、あなたよりも余程柔らかい。
でも、そういうことを目指してやってるわけじゃないでしょ?
自分の身体と向き合い、決められた動きの中で身体をコントロールしていく。
そういうことが、自分の中に意識を向ける手段でもある。

このIさんは、私と同じ年齢なのだが、いろいろ張り合ってきて疲れるのである。
いつも「他人」と比べてきたんだろうな…。そういうの、疲れますよ?

いや、口を挟むのはやめよう。
私はこの人に何の興味もないからね。
No.579 PERMALINK

一〇庵の凋落

太極拳法 2024/11/02(土) 22:57
K先生のことはとても好きである。
そして、台湾で修行されたという宗家も尊敬している。(もう亡くなったが)。

次世代が育っていない。
そもそも、太極拳(うちは太極拳法だから、ちょっと違うが)というものは、お年寄りのものだったりするわけで、次世代と言ってもまあ高齢者だなということはある。
しかし、だ。
24式とは違い、どんどん覚えるべき套路があって、器械もどんどん使う。(玉、扇、根、剣)出費もある。

だから、そもそも高齢者が入ってきにくいのかもしれない。
24式のほうが気楽であろう。
見学者は何人かいるが、誰も入会まで至らない。
というか、3年前入った私が一番歴が浅い。
聞いてみると、やはり他の稽古場も同じことのようで、主力が50代だったのが、そのまま20年経って、70代になったという。
そして、新しいことが覚えられないというので、やめていく人が多いらしい。

K先生の人柄もあってか、県下は相当の人数がおられるようだが、それも高齢化して風前の灯。

何より、人が育っていない。

まず、私が前回辞めた原因となったK師。前向きには妊娠を原因として辞めたが、本当は続けたかったのだ。しかし、初段を終えて、担当がK師に変わった途端行くのが苦痛になった。
K師のほうは、私のことなど全く覚えてないのだが。「あなたみたいにキャラ濃かったら、覚えてるはずなんだけどねー」とケラケラ笑う。
K先生のほうは、しっかり覚えてくれていたのが幸いであるが。

20年ぶりに会ったK先生は、相変わらず素敵で、優しくて素晴らしい。
しかし、20年ぶりに会ったK師も相変わらず、いや、私より5歳ほど年上の彼女はあちこち(腰やら膝)を悪くしていて、マトモに立ち座りができない。よろける。
なんだこれは。
太極拳法、それも体に良いというものを20年教えていてこれか?
もちろん、交通事故なども原因として考えられるから、一概に問題とは言えないが、それにしても恐ろしくお粗末な套路を披露である。
そういう人が指導をする。なんの手本になるか。
太極拳法を長くしていると、体を壊しますよーと喧伝しているようなものだ。
私は、K先生がK師のような助手しかいないのをとても残念に思っていたのである。

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で、今日少々もめた。
具体的なテクニックの話は割愛するが、私にK師が「惜しい、惜しいね。〇〇ができてないよ」という。
私は〇〇したら、重心移動ができませんと言い返して一悶着。
それを見ていたK先生が近寄ってきて「どうしたの?」と聞いてくれた。

私が事情を説明すると、K先生は「そりゃそうね。〇〇じゃないですよ」と言う。
K師は目を丸くして、「いや、そもそも、ずっとそれで教えてたじゃないですか! どうして変わったなら変わって言わないんですか!」と大騒ぎ。
K先生は「〇〇したら、動きがガクガクになるでしょ? K師さんもそうなってないってことは、あなたも〇〇やってないですよ」。
K師は「K先生はそうやれって言っていました! 言ってたじゃないですか!」

うわああああ。

だんだん20数年前の記憶がよみがえる。
同じところで、私、質問したんだった。
なるべくね。なるべくやってね。たしかにそうK先生は言ったけど、どう考えてもどうしても〇〇では動けないので、「動けません」と抗弁した私に、K先生は「そう? それならいいわよ」とかなんとか言って終わったんだった。

いや、あの、揉めないでくださいと、思わず出た言葉にK先生が真顔で答える。
「いいえ。これは揉めてるんじゃないの。お互いに、話し合ってきちんとしないとね」と笑顔で言う。

K師のほうは鬼の首でも取ったように「言ったじゃないですか。どうして変わってるんですか」と目を三角にする。

K先生が「きちんと伝えておらず、大変申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。

私たちは息をのんだよ。
そんなこと、師匠にさせてどうするよ?
K師のほうは「ほんとにもー、ちゃんとしてくださいよ」みたいな風に収まったが、何これ?

K先生は終始笑顔だった。
K師は最後までぶつくさぶつくさ言っていた。
なんだこれ。

どうしてK先生は、K師を大事にしているんだろう。
事情があるんだろうか。
普通だったら、口で言わなくても見て取りなさいってならないのだろうか。

というか、納得せず20年以上動いていたというのがもう信じられないのだが。

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つまりは、育っていない。
門人も指導者も育っていない。
現宗家も、ヤワヤワのお嬢さんが年取ったような人物だった。器ではない。
これが、競技人口の差だろうか。

マイナーでも本物をやりたいと思って再開したが、未来は暗澹たるものだ。
K先生が引退したら、私の太極拳法人生も終わりだなあ。
あと何年?


まあ、先のことは考えるだけ無駄。
ただ、ちょっと覚悟はしておこう。
No.578 PERMALINK

太極拳法審査

太極拳法 2024/09/29(日) 23:19
28年前に受けたらしい初級。
記憶にないが、K先生は覚えておられて(記録があるのかもしれない)びっくり。
私には審査の話はないなーと思ってぼんやり受ける人たちを見て三年かな?

中級審査を受けるようにということになった。
うけないと次のトウロを教えてもらえない。
ということで、私より1年半前に入門した方と一年前くらいに入門した方と二人で中級審査に臨んだ。

ゆるい、ゆるいと言われて、まあ、本当にゆるかったのだけど(何回か間違って他人の動きを見ている人がいたのだが、それでも合格)、いろいろと考えることが多かった。

5年前に先代からこの太極拳法を継いだ宗家の女性は、私よりちょっと上くらいか。
美人ではかなげで、細くて。
ありゃー。何か違う。
最後に演武してくれたが、そりゃーうまいけど、何かが違う。
K先生の動きのほうが、数段すごいのである。

いや、正直、小柄なK先生に勝てる気はしないが、その宗家の先生には勝てそうw
いや、そういう目で見ちゃいけんけどねえ。

本当に、K先生が引退したら、私もここには用なしだなあと思う。

他の教室の先生も多分良い人なんだろうけど、特別すごそうな人はいなかった。

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ここの太極拳法は、生徒の段位は、初級→中級→上級→特上級となる。
今回特上級を受けたのは、4人。
皆さん、20年以上されているということで、さすがに動きがこなれていた。

とはいえ、全体で18人の受審者である。(県内。年に二回。3月と9月)。
確かに、初級を受けるまで1年以上かかるらしいから、のんびりとしたものである。
一緒に中級を受けた方は、8年やっていると言っていた。

私は2021年4月に始めたので、3年5カ月。
28年前のことは全く白紙だったので、最初のトウロから順に覚えなおした。
20年かかるんだったら、私死んでるわと、一緒にうけた70代の女性が笑う。
まあ、20年かかるかどうかわからないけど、とにかく、次を目指して頑張りましょうよーと言うと、そうねーと頷く。

体を動かすのは嫌いではない。
へたくそだけどね。
まったくもって、センスがない。
そういうのは、24式のときに思い知った。
覚えるのはある程度早いが、それだけにすぎないw

というわけで、夕方から、糸東流空手のほうに顔をだした。
右肩の痛みは取れないので、組手は休んだが。
平安2段、平安3段と復習。
肩が痛みがとれないとなあ。


No.571 PERMALINK
土曜日午後の記録である。
(ちなみに、今日は仕事は午前中休みである。こんなことになる前は、映画を見に行こうか、本を読もうか、とワクワクして計画を練っていたが、今はそういう精神状態ではなく、眠れたら寝ようと思っているだけである)。

扇は最後の野馬分そうのところの次まで行ったが、今日は進まなかった。
最後がちょっとややこしいのよと、先生は私たちにはまだ無理と判断したようだ。
「次回やりましょう」と、今回はそこまでの復習だった。
まあ、確かに1回目の野馬分沿うで、扇が横、2回目で扇そのまま、次でいったん後を見てから下向きと言う面倒臭いことをできてなかった。

お、今もうろ覚えじゃんーwww(笑ってる場合じゃない)。

あー。身体は気持ち良いが、心が重い。
何もしたくないし、何も面白くない。

きっとね、寿命がこの数日で10年は縮んだよね。。。
そして、それを惜しいとは思えない精神状態。
以前なら、10年分の稽古が奪われた! と怒るはずなのにね。

とにかく、太極拳法はリフレッシュの時間である。


No.492 PERMALINK
まず、忘れないように。防備録だからね。
7月~9月分の月謝払いました。13,310円也。
すぐ次が来るなあ。

でも、今月中で扇が一通り終わります。楽しいです。
参加者は、新人ばかり3人。大学教員2人に薬剤師。
とはいえ、もう1人の大学教員は二段が終わろうとしています。私たちは二段の稽古をさせてはもらっていないので、二段がどのくらいかわかりませんが、確実に長くて難しいようです。

去年みたいにガツガツやっていませんが、なんとかなっています。
慣れたかな。初段をきちんとやれば、扇はなんとかなりますかね。
ゆっくり動くことの重要性とか、呼吸を意識して動くことの楽しさとか、年取ってわかることもあります。
年齢ではなく、24式との違いかも知れませんが。(好みだと思いますがね)。
少なくとも、妊娠までは楽しくやってたんですからね。出産後はバタバタしていて忘れていましたが。24式のほうがメジャーという思いもありました。メジャーになるにはそれなりの理由があるでしょうし。

とにかく、今の状態は最高です。
K師をほとんど独り占めで、習えます。
ちゃんと指摘をいただけます。

とはいえ、しばらく、審査を受けるOさんの指導に忙しそうですが。
No.482 PERMALINK

野馬分そうまで

太極拳法 2022/06/04(土) 22:31
先輩のOさんは9月審査。
私は審査無し。
なので、推手なんかをやる。(審査科目)。
太極拳法の良さが今はわかる。

少し年齢相応になってきたのかなあ。
前はゆっくり動くことが苦痛で仕方なかった。
呼吸に意識を広げていって、身体の重さを使って動く。
心地よいです。

もちろん、K師の力でもあります。

人の身体はそれぞれなので、無理にしゃがんだり、無理に開脚したりというのは一切ありません。
私みたいにゴリゴリやってもだれも「すごい」なんて言いません。それぞれです。
24式のときは、身体が軟らかいことが、なんかすごいことのように感じてて、私は引け目を感じてました。
(普通よりは柔いけど、稽古人たちよりは硬いので)。

だから、無理してたかもしれません。
もちろん、今は空手をやりますから、空手ではちびっ子に示す程度の柔軟性はあります。無理はしているのでしょう。

しかし、1年後に痛んで辛かった右の腸骨の前端部がやっと痛みがなくなりました。
5ヶ月くらい悩みました。
足首はまだ本調子ではないけど、なんと今日は右だけで片脚で立てました! 
エライ自分!

こうやって少しずつ良くなるのです。

No.473 PERMALINK