数年前、まだ竹弓を持っていなかったころ。
いくつかの銘を上げて、今後手に入れたいとブログに書いてたと思う。
結局、インタビューや写真で「わあ、このオッチャンの作った弓なら欲しいなあ」と思った永野重次さんの弓はまだ手に入れていない。
そのインタビュー記事の後、亡くなっていたので、新弓はもう出てこない。
いつか古弓でも手に入れる予定だ。

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難度も古弓を手に入れて、壊してきた。(合成接着のものは、作られて30年~40年で劣化してしまう)。成りを見て、矢勢を見て、反動などの感じを覚えてきた。
結局、最初に新弓で購入した桑幡正清の弓が自分には一番しっくりくるのである。
質実剛健という言葉が一番しっくりくる。頑丈で成りも変わらない。
最初、グラスとあまり変わらないなあと思って不安だった。(純竹を買ったのに、カーボン入りだったりするのかなーと)。
実際には、そういう風に作ってるというのがわかって、大事な相棒だ。
冬の15.5㎏と夏の16.5㎏は、いつでもメイン。五段審査もこれで合格した。

その後、新弓で手に入れたのは、「一燈斎」。同じ薩摩弓なのに、全く違う。今少々てこずっているが、今日はなんとかやっと60%に乗せた。2か月引いてきて、裏ぞりがまだ18cmほどあるので、まだ弦を掛けたままである。来月測ってまだだったら、どうするか。

あとは、無銘のニベ。昭和八年のハガキが入っていたので、そのころ作られたものだろう。
100年近い時を超えて、今なお現役なのはすごい。15.5㎏で購入したが、多分だいぶ落ちた。
(ごめんなさい。ガンガン引くとダメですね)。
細身の女性向けの感じだが、他所の道場の話を聞くと「女子で15㎏越えはあまりいないよ?」とのことで、昔の人は違ったのか、それとも小柄な手の小さい男性が使っていたのか。(とはいえ、男性で15㎏は高校生くらいだな)。

それから、再生弓。
壊れたものを打ち直してもらったもの。これは桑幡正清銘だが、私が所有するものより1代か2代さかのぼった先代の作である。
胴の入りが当代よりもきつく、何より裏ぞりがかなりあって、当代の扱いやすさ丈夫さが裏ぞりの少なさからきていることを考えれば、全く別人いや、別弓である。


それと、20㎏の桑幡道信が一張ある。
これはさすがに引けない。
素引きはできるが、的前だと弓手が負けてしまう。
筋トレ否定論者だった私が、せっせと筋トレに励むのは、この弓が引きたいがためである。

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今日の稽古中、となりで稽古しているのが見えました。
懐かしい基本稽古でした。
基本大事ですよね。
今でもよく、Sさんと「あの時の大東流は本物だった。あの時のKさんは情熱に満ちていた」と話します。

今でも、きっと本物を稽古されていることでしょう。
声をかけたくても、ためらってしまう。
いや、良いのです。お元気でいてください。
いつもあなたの幸せを祈っています。
No.509 PERMALINK