右肩で一番やっかいなのは、可動域が全然でないところがあるということ。
挙上はできる。外転内転、外旋内旋いける。
できないのは軽自動車で、シードベルトを右手で引き出す動作。
今まで普通にできたことが、できない。柔道整復師の先生にも相談したが、「左手で取れば?」と言われ、整形のドクターには「ストレッチしなさい」と言われた。
特に整形のドクター曰く、「盆栽みたいなものだよ」。
つまり、毎日少しずつその形をとっていけばいつかは曲がる。
本当か? 健全な状態ならある意味、自分たちがやってたストレッチと変わらない。
しかし、今、私の肩はバリバリの炎症である。炎症中にストレッチして、可動域が広がるかと言うと…。
逆に炎症を助長するんじゃないかと思って不安であった。
でも、私は真面目な患者なので、毎日毎日時間があればストレッチしていた。
しかし、シートベルトを引き出す動作はできない。ストレッチすればじわーと伸びるかというと、その角度で何かぶつかっている感じ。
だから、痛いだけで一向に改善しない。
そろそろストレッチをやめるか…と思い始めていた(指示されて3カ月は毎日やったが改善なし)。
別のアプローチがいるかなと、以前の(健康な時の)肩の動きに対する指摘を思い出しながら考えた。
私は基本巻き肩と言われる。
30年以上やりこんできた空手のせいで、肩を内に巻いて構えるのが常になっていた。
もっともそれは、「フルコン」とうい世界の話で、打撃を食らっても頭が振られないようにするための工夫だった。実際に打ち合うボクシングスタイルにもよく似ている。
現在、伝統派をやって、全然違うことを実感しているが、それでも、昔取った杵柄で、ついボクシングスタイルの構えになる。
肩が痛くなる前からその巻き肩を治そうと、いろいろなストレッチや筋トレをしてきたが、どれもイマイチ。
弓道では身体のことを何も知らない高段者から、「右肩を内に入れろ」というバカな指示をされて、一時期真に受けてやってた。(それは巻き肩を助長する)。
気が付いたころには、右肩は痛くて夜も眠れなくなった。
整形でのステロイド注射(関節内)、痛み止め(Nsaids)、カルシウム調節薬(H2ブロッカー、胃薬)で夜も寝られない痛みはなくなったが、運動時のパフォーマンスの低下はいかんともしがたいものがあった。
整形は痛みが取れれば問題ないでしょ、痛いなら薬飲んでねというスタンスなので、これ以上付き合うと単なる薬漬けにされてしまうなという感じがする。
確かに健康保険で薬を出してもらうと安いが、2月を最後に行っていない。
ただ、痛み止め、胃薬(H2ブロッカー)は自費で購入して調節しながら飲んでいる。
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で、巻き肩だ。
何か巻き肩がひどくなる生活動作があるんじゃないかといろいろ精査していた。
整形に指示されている、肩関節のローテーターカフの強化のためのリハビリでは、寝っ転がって横を向く。
これも、去年の受診から毎朝、毎晩欠かさずやっている。
このとき、下になっている肩の状態を観察すると、右のほうが左を下にしたときより潰れている感じがした。
もしかして、横向き寝がいけないのか???
ネットで調べると、やはり「横向き寝は肩を痛める」とあった。
いや、私は知っていたが、野口整体的には、真っすぐ上向いたまま寝るほうがよほど危ないので、寝返りすることを是とすれば、右向こうと左向こうとかまわないではないかと思っていた。
しかし、思い当たることが、一つだけ。
私の隣には狭い家故、同居人が寝ているのだが、そちらを向きたくない。
なので、私は必ず右に向いて寝ていたのである。
途中寝返りを打つので、朝はいろいろな方向を向いているが、寝入りは必ず右に横向きになって寝る。
他の部屋で寝ればいいが、他の部屋がない。
一時期、簡易ベットを外に出して寝ようかとも考えたが、冬は寒くて夏は虫にやられるのであきらめた。
本当にむかつくときは、車で寝たが、軽自動車は毎日寝るところではない。
相対的に右向き(右肩が下になる)が多い。
えー、これだけ巻き肩を治すストレッチしててもダメなのは、そのせいかなあ…
肩の位置を確認しながら、仰向けに寝たままシートベルトを取る動作をする。
痛い。
肘を90度に曲げて、手首が完全に15センチくらい布団から浮くのである。
肩は何かぶつかっている…。ストレッチで治る類のものではないのでは???
右肩が下になってどのような負荷がかかるか。
そういうのを見ながら、何度か横向き~仰向けを繰り返す。
完全脱力して(脱力しないと、関節のぶつかりはわからない)、左手で右手を保持しながら、動作を繰り返す。
なんどかやっていたら、肩関節の中で、2~3mm上腕骨頭が動いた。ぐにって感じ。痛くはない。
え?
そのあとは、シートベルトを取る動作も普通にできるようになった。
可動域の制限もない。
痛みは、なんとなく、肩全体にあるが、今までシートベルトをつかもうとするだけで、激痛だったのがウソのように治った。
手首は左と同じで、布団にぺったりとくっつけることができる。
で、ぬか喜びではいかんので、三日ほど待って再発するか見ているところであるが、今のところ、右肩の痛みは軽い筋肉痛のようなものがあるだけ。
今までの肩関節の中で、軟骨と骨がゴリゴリ当たるような感覚も、引っかかる感覚もない。
炎症は急には引かないだろうから、無理しないが、久しぶりに右肩を庇わず生活できている。
去年の夏から悩んできた肩関節痛が、治癒の方向に動き出したのではないか。
まだ、喜んでいる場合ではないが、痛みがないというのは素晴らしい。
長く癖になっているようで、右を使おうとする前に、必ず身構える。ほんのちょっと。そして痛みがないことに驚く。
で、今日は嬉々として居合に行く予定だったが、風邪をひいてしまい、自宅療養中。
なかなかうまくいきませんな。