合格しました

2025/07/03(木) 08:07
弓道をはじめて9年と8カ月。
錬士の称号をいただきました。

受審者306人(欠席者含む)。
合格者10人。

当県からはもう一人、女性が合格。
彼女は歴は長いですよ。5段合格が平成の終盤ですから。
昨晩は祝福メールに埋もれました。
何よりうれしかったのは、いつも指導してくださる(月一で通っている)M先生がとても喜んでくれたことだ。

「私が死ぬのと、あなたが錬士になるのとどちらが早いかねー」と言っていたので、「良かった良かった!」と電話の向こうで泣きだしそうに喜んで下さった。
M先生は多発性骨髄腫、抗がん剤の副作用があって、大変である。89歳。

しかし、この報告をできなかった人がいる。
私の弓の最初の師匠であるT教士。初心者教室で出会って、私が空手で股関節が悪いのを聞くと頭をひねって「弓も体力使うよ? 大丈夫?」と心配してくれたものだ。
78歳で、今年の5月永眠された。もう数年会ってなかった。私の五段合格を誰よりも喜んでくれた人だ。
五段の審査の帰りに、小さい瓶に入ったミカンのお酒をお土産に買ったのだった。それが、お目にかかった最後となった。
とっても喜んでくれた。思い出すと、今でも胸があったかくなる。

もう一つ。
私が弓を始めた理由は、大東流を追い出された(!)からである。
あのとき、絶望の中にいた私が死なずに済んだのは、弓道となぎなたを始めたおかげである。
(もちろん、居合も杖も空手も続けてはいたが)。
全くの初心者、右も左もわからない、そういう世界で懸命に生きてきた。
大東流も場所は違うが細々再開できた。

あの絶望の日々から、10年近く経った。
 
年月は心を癒すのだなあと思う。
絶望したことは覚えているが、今は絶望してはいない。
ただ、必死に日々を生き抜こうという決意があるだけだ。
稽古は続く。
終わりの日まで。
No.627 PERMALINK