この子たちは、あの日(8月24日)に死んでたんだと思うと、泣けてくる。
もしゃもしゃと三匹で頭を並べてごはん(カルカンのパウチ)を食べる姿は、「生きる!」という意思そのものだ。
死とか惨めとか寂しいとか悲しいとか、そんなんどうでも良くて、「食う! 生きる!」という真っすぐな在り方に、見ているこちらが震える。

乳歯が生えたばかりで、猫ミルクも欲しかろうと用意したが、一週間の保健所の食事ですっかりカルカン一筋となっていた。
ちなみにそこの保健所は、一週間して貰い手がなかったら殺処分というルールであるから、彼らは生まれて一か月のうち一週間(四分の一)を涼しいステンレス製の檻の中で過ごしたことになる。
だから、もう充分離乳は済んでいたが、母の乳を探してモミモミするしぐさが切なくて、何度かミルクをあげたが飲まなかった。
食べ物も離乳が済んでて大丈夫。(離乳時に、一つの危機がある。人間もだが)。
排泄の問題も、一カ月令なら自力排泄ができる。
トイレも最初は失敗したりしたが、小さな箱トイレからはじめて、先住の子たちが使っていたトイレに誘導する。

一匹が少し下痢気味だったのと、一匹が少し目やに(猫風邪)だったのを除けば、百点満点。

黒猫は人懐こいし猫なつこいとは聞いていたが、畳の部屋に出した瞬間から探索よりもまず「ヨッコラショ」と横になり毛づくろいを始めた。
そして、ヨッコラショの場所が全部、どこかしら、私の身体に触れる位置だったのが、何とも言えず、もう胸がいっぱいになった。
おい、人は怖くないのかよ? 元野良かどうかも聞くのを忘れた。どうでもいいと思っていたから。
最強(最凶)のシャーシャー猫たちでも全然大丈夫と思っていたから、あえて来歴を聞かなかった。
同腹は6匹。黒4匹、白黒、チャトラ。一か月令。これだけで十分だと思ったが、逆にこんなに人懐こいと一体こいつらはどんなところから来たのか気になるのであった。
というのも、飼育されていた猫の子なら、人馴れしているのはわかる。
しかし、それなら、一か月の一番かわいい時期に保健所(殺処分あり)に持っていくだろうか。
いや、現在は動物愛護法が変わって、終生飼養の義務があるはずだ。そうでなくても、里親を探すんじゃないかなと思うのだが。

そこまで考えて、この子たちが人間の手に育てられた母猫の子どもたちとしても、母猫の飼い主に対してどす黒い感情が沸き立ってきたので、想像をやめた。

野良で、保健所でキレイにしてもらって、おなか一杯食べて、本来のなつっこい性格が出てきたということだろう。
(にしても、病院でもこんなになつっこい子猫は見たことがないが)。

三匹は気ぜわしくお互いをなめなめして、カプリとやり、怒られ、駆けっこをして、重なるように眠る。
真っ黒で毛が縮れているように見えるので、光を反射しにくく、視認が難しい。部屋の隅に行かれるとどこにいるかわからないw
写真を撮っても、残念ながら黒い靴下を脱ぎ散らかしたようなものしか映らないw
おお、そういうことか。黒猫に人気がないのは、そういう理由か!
私は写真はもともと下手だが、黒猫はまったくもって写真が下手とかそういうのを超越してきちんと「映ってくれない」。
黒い塊があるだけだ。
おわー。難しいー。

なので、この時期の一番かわいい時の写真が少ない。
明日にでもサルベージできたらいいが。
これだけでは寂しいので、現在の女の子のベストショットを載せておこう。
ベロが出てるのがお分かりだろうか。
そして、胸元に白っぽい毛が。なんてチャーミングであろうか。
ちなみに、この写真は私が撮ったものではない。娘である。

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No.553 PERMALINK