先週は、会場の都合でお休みだったので、二週ぶりである。(土曜日の稽古について今書いている)。
会場は武道館。
10年に一度くらい床の改修をやってる。(30年に一度くらい、床下のスプリングの改修をやる)。
二週間全く使用不能だった。
二週のうち、一週はなんとか他の会場を借りることができたが、先週は無理だった。
二週ぶりだし、夏休み終わったし、審査前だしで、多いかなあーとボンヤリ向かうと、なんと隣市の指導者が来ていた。
指導者…と言っても私と同じで暫定指導者で、私よりずいぶんと歴が浅い方である。どう考えても私が先輩である…。
一瞬、このオジサンに半分くらい指導を投げようと思ったが、思いとどまった。
ちなみにこのオジサンは、以前の道場での大東流にも来てくれた研究熱心なオジサンである。
大東流の当時の指導者と同じ町内ということで、盛り上がったのを思い出したりした。
それはそうと。
武道館が、「臭い!」
ヤバい。
ワックスかけた臭いが半端ない。
有機溶剤とか、いろいろ混ざった臭い。
私は自慢じゃないが、鼻は良いほうだ。ウッと鼻を押さえてひるんでしまう。
係員が、「ずっと開けてるんですけどねえ。すみません」と謝るが、どうしようもないことだ。
子どもたちに「おお、臭いから窓際で待機しろ!」と声を掛けるまでもなく、「くせーくせー」と小学生男子がわらわらと入場する。
気になる子が二人。
二人とも、「感覚過敏」という状態である。
まず、音。音がすごいともうだめである。
隣の剣道の掛け声に耳を塞いでしまう。
隣がヘリポートで一度だけ、ヘリが下りてきたことがあるが、他の子がわくわくと見守るなか二人だけ耳を塞いでいた。
あと、車酔いや、服のチクチクなどが気になることが多いようで、親御さんも苦慮している。
たぶん、こういう子は臭いにも敏感だ。
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稽古前から「臭い臭い」と小学生たちが鼻をつまんでる。
はい! しんどい人は自主的に抜けてよいから、やるときはちゃんとやるよ!
声を掛けて、いつも通りの稽古。
ただ、呼吸法はやらない。深い呼吸はこんな環境でやらない。
いつもより、短いスパンで短い休憩を挟み、窓際で深呼吸をさせる。
やっぱり二人のうち一人は、1時間弱で「おれ、休む」としばらく転がっていた。
それでも、最後は一緒にやれたので、良かった。
彼は身体能力が高く、性格も明るく、お調子者。
最初は加減がわからず、自分の攻撃で自分自身を痛めることの多い子だった。
相手を殴る、相手は受ける、すると、自分自身の力が自分に戻り足や手を痛める。
そういうことを乗り越えてきた子だ。なんどか泣いた。すごく悔しい思いをしてきた子。
感覚過敏で、車酔いが一番の敵だ。
車で五分くらいの場所から、道場に来るともう「車に酔いました」と青い顔をしている。
そういう子は、臭いにも敏感だ。
審査に向けて、組手以外をみっちり。
組手はこういう風に調子悪い人間がいるとき(そして人数が多いとき)はちょっとやめた。
隣市のオジサンには、人数の少ない緑帯以上の型を見てもらった。
(緑帯以上だと、だいたい型を覚えているので)。
私は、まだまだ覚えていないちびっ子に型を教える。
審査に間に合わない子が、ちらほら。
まあ、直前までがんばってみよう。
残念なことに、紅一点の女の子が辞めると言ってきた。
彼女は、来たり来なかったりとそもそも休みがちだった。
気が強いわりに引っ込み思案で、傍若無人な内弁慶。
前任者が「女の子だから」と特別扱いしていたのを私は一切しなくなったのが堪えたのだろう。
前任者は「〇〇ちゃーーん」と猫撫で声で彼女をいつも高い高いしたりしてたんだっけ。とても小柄な子である。
それでも、12月から半年以上頑張ったのに、残念ではある。
ただ、負けん気はあまりなくて、家でも特別扱いされて育ったというのが伝わってきた。
出来てないと言うと、とたんにムクレル。
挨拶も最初できなくて、相当言ってできるのようになったのが、最近のことだ。
まあ、残念だが。
とそこまで思って、「ああ、自分もいつの間にか空手の指導者のようなことを考える人間になってしまったなあ」とため息。
私はあくまでもこの時間は「ツナギ」のつもりである。
誰か代わりがいれば、すぐに退くよー。
私のなぎなたの時間を返して!! と思っている。
それでも、ちびっ子(上は中学生~下は小一)たちと団子になって稽古するのはとても楽しい。
責任さえなければ…だが。今は責任を伴うので、時給分はめちゃ苦労している。
いつまでやるのか。
19日審査である。うちからも受けさせるつもりなので、私も同伴指導である(無償奉仕)。