黒猫は懐っこいって聞いたことがある。
診療でも、そんなに苦労した思い出はない。
(苦労したのは、雉猫、トラ猫、さび猫の一部)。
柄で性格が決まるということはないと思うが、黒猫たちは本当に愛情豊かで優しく穏やかである。
しかし、三匹には個性がある。
同腹で、同じ母猫(多分父も同じ)、同じ毛色なのであるが、全然違う。
穏やかで優しい、愛情深いところは似ているが。
一匹はオソレである。物音がしたら、速攻で逃げる。
一匹は鈍重である。物音がしても全く動じない。
一匹は好奇心たぷpりだ。物音がしたほうに向かっていく。
たしかに生存戦略としては、どれが一番いいかはわからない。
すぐ逃げるやつが生き延びやすいかもしれないし、物音のあるほうに行くやつのほうが、食べ物にありつけるかもしれない。
ボーっとしているほうが良いかもしれない。
行動パターンが全員違えば、どの子かは生き延びる。
そういうことかなと思いながら、三匹を見ている。
不思議とどの子がかわいいというよりも、どの子もかわいい。
ボーっとしてるのも、きょどきょどとオソレなのも、好奇心いっぱいの子もかわいい。
ただ、好奇心いっぱいの子はちょっと長生きしないかも…と不安にはなる。
すぐドアをすり抜けて外に出ようとする。
(現在、完全室内飼い)。
走りだした先に、道路はないが(空地が延々あるが)、それでも薄暗くなってから逃げられると黒猫だけに見つけることは困難である。
呼んだらすぐ来るが、万が一もある。
なかなかにスリリングな猫たちとの生活である。