金曜日は三人

大東流 2022/02/26(土) 19:33
いつの間にか、家の梅の花も満開になっていた。
金曜日は暖かい1日となった。

仕事がないので朝から道場へ。
Sさんも加わり三人で昨日の続きをやる。
Sさん、まだ合氣上げ苦戦。

毎回同じ事を言ってもアレなので、昨日は「インナーゲーム」の話をした。

頭と身体に別れて、頭が自分は動けない筈なのに、メッチャ冗舌で要らんことを一杯考えてるのよ。
これだけ稽古してれば身体はどうすればいいかをもう知ってる。それを邪魔しているのが頭!!
頭は黙って!
私が本気で声を出したのでSさんはビクッとなる。

慌てて優しく言う。
頭と心が忙しすぎる。
身体に任せてOK。

言われた通りにやれば、できるのに、一人でやろうとすると出来ないのは、自分自身〔頭)が邪魔しているよ。

(-_- )うーーんと考え込むSさん。

そこよ。そこ。それが駄目!
禅なんだよ。
稽古は禅と同じ。

自分っていうのは「頭」そして「心」。師匠は「心」って身体の意味で使ってるけど、ここではとにかく「むかついた」り、出来て「うれしい」という心の動きをさすね。
心も頭も平静に、静かにしておくの。身体を使うの。

えー。うれしいも駄目ですか?
駄目。

ちょっと不満げなHちゃん。

ずいぶん昔に読んだ本で、カトリックの修道院の話があるの。
修道院に入ってすぐにやるのがこれ。



2人がハテナになる。

三黙行と言ってたよ(細かいニュアンスは違うかも)。
掃除するとき、など何かをするとき、口が黙るのは当たり前。頭も心も黙らせて、静かに作業をしなさいっていう教えなの。
私は道場の掃除をするときそれをやってる。
だいたい半分くらいしかまだできない。神棚まで来て、「あ、ネギが余ってるから晩ご飯に使おう」なんて考えて、ハッとするよね。
そして、もう一度やり直して最後の畳は好きに掃除する。

そういうのやってる。
だから、稽古するときそれをやってみて。
頭ばっかりじゃないの。

Sさんは何か言いたげにフーンと聞いていたが、何を言っても「頭」と言われるのがイヤなのだろう。
フーンと首をかしげたまま、黙ってた。

Hちゃんは坐禅仲間でもあるので、少しはわかっていただけただろうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そしてもう一つ、人格と武道の話をした。
武術・・・でもいい。

数日前にこんなツイートが流れてきた。

格闘ゲーマーとかの界隈のイキった振る舞いを見てると、武道に「礼儀」とかの精神修養の概念が導入されてることの意味が分かるな。
強い弱いの格付けを常に意識させられる界隈であるが故に、勝ってる側の増上慢や、内ゲバ等々を未然に防ぐために、まずは礼儀で行動にアンカーを打つのだな。

小池顕久/たけうちじん


そういうことかと、私は納得したのだが。

自分が他人より強い(優れている)という勘違いは、ヤバイということだ。

鬼滅のアカザしかり、「王様ランキング」のオーウェンしかり。
人間が不老不死を手に入れて、強くなったらあとは狂うしかない。
だから、礼儀でアンカーを打つ。くさびを打っておく。
それが、建前であっても、ないよりはまし。

だから、礼儀が必要なんだ。
という話をした。もちろん、うちの人たちは礼儀はキチンとしているが。
(1番なってないのが私だったりするが)。

No.335 PERMALINK