一応、11月から、メイン武術の師範として、道場を開く。
といっても、宣伝するでなし。
今まで通り、門人のSさんと稽古するだけで何も変わらない予定ではある。

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一応師匠に、報告した。

師匠はそうかと、聞いていた。

今日の夜。
居合の稽古の帰りに電話。
「看板を」

何かと思ったら、道場開きの祝いに看板を下さるというのだ。
運ぶのも大変な大きな看板。
長年先生が使われたものである。
ありがたいとは思うが・・・。
どこに置くのだ!?

運ぶことも難儀すると思っていたら、ご友人を運び人として持ってきてくれるという。

は?

無理です。
もちろん、宅配便では無理なサイズ(人一人分だそうだ)。

でも、めっちゃ遠くに住んでるご友人を私の家までぱしりに使うなよー。というか、「泊めてくれ」。
無理無理無理ー。
電話のこっちで冷や汗をかきながら、断る。

なんで? いいんよ、普通に寝れれば。そうかもしれませんが、寝る場所もありません!と抗弁する。押し問答のあげく、師匠は引いた。
私が自分で車を運転して取りに伺います!

今のところはそれで勘弁してもらってる。

でも、師匠のことだ。気が変わる可能性も・・・ある。
なんだか、とてつもなく、師匠がわからない。
気乗りしない様子だったのに。

看板というのは、大事なモノでしょう?
私のようなできの悪い弟子に譲って良いの?
他にも欲しいと思っている弟子がいるでしょう?
というか、私、あまりでかいのは困るけどなあ・・・。
常設の道場があるわけでなし。

ああもう!
看板いらない、巻物いらないので、「実力」を下さい。
それだけで良いです。
ホント、マジ。

そう思う日々。


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ただ、師匠と稽古して帰ってくると、技の切れが違う。
いつもは、ジトーと受けるか受けないでダラーとしているSさんが、笑いながらすっ飛ぶ。
何かがあるのだ。何かが違うのだ。

Sさんは、「上達してますよ。全然違いますよ」と慰めてくれる。
ああ!

もう!
全然わかりません。

Sさんがいなかったら、師匠との稽古を続けていないだろう。
闇雲。手探り。

「師匠! わかりません!!」

この言葉を呑み込むことが、習い性になって、腹が膨れる。
わからない暗闇の中で、一人ぽつんと取り残されている。

わかりません。
わかりたいのにわかりません。